2019/02/27
こんにちは、今日は2018年7月27日(金)の18時ですが、台風12号について、先程「気象庁が緊急記者会見」を行いました。
台風12号によって、この後、災害が発生することを予想しているってことです。もちろん、行政機関として緊急性や情報の確度がないと、そういうことはアナウンスしないけど。
災害を想定しているはずです。だからこそ、記者会見を緊急でもうけるし、会見も長い時間をとって説明します。
もちろん、すべて見てみたい!って人は、下の動画で内容を確認してみてください。予報官の方は、一見、たどたどしくしゃべっているように聞こえますが、ものすごく説明が上手ですよ。専門的な言葉を聞く人にあわせて全部、言い換えています。PAGEの動画を引用しますね。
ただ、1時間以上の長いものなので、今日はポイントだけ説明したいなって思います。
つまり、まず、現時点で予想されている台風12号の進路を確認したうえで、
①普段と違うルートを通ることで、どういう影響があるのかということと、②それって、なんでなの?という疑問に答えていきたいと思います。
では、具体的に見ていきましょう。
1 台風のルートから
現時点で想定されているルート全体という意味では、このイメージですが、
気象庁としては、こういう風にとらえています。
台風12号は、この後、東海に上陸し、紀伊半島・四国そして、九州に抜けていくと見られています。九州では予報円が大きくなっているので、北部から南部と幅があるけど、今までの傾向が南寄りになっているので、九州全体を視野に入れているはずです。
気象庁が14時に発表した、具体的な時間としては、下のイメージになります。ただし、ルートによって±6時間から12時間の変動があるし、つどかわっていくものなので、あくまでも現時点の目安ですけどね。
・東海:7月28日(土)21時
・紀伊半島:7月29日(日)0時
・四国:7月29日(日)6時
台風の進路としては、こうですが、関東は大丈夫なの?といったらそれは違います。関東もたたきつける雨が予想されています。大体、梅雨時期の雨全部をひっくるめた3倍の雨ですね。
ここはわからないところもあるけど、夏休み初の週末ということで、イベント目白押しだけれど、おそらくそれどころじゃないはず。
たとえば、隅田川花火大会・フジロック。ワンフェス・FGOフェス。甲子園キッズフェスタとか、子どもや、イベントを楽しみにしている人には申し訳ないけれど、たぶん、開催は難しいところがあります。
それは大雨だし、関東は、まず交通機関がマヒするはずです。今回はとくに異例のルートをとることで雨が長引くとみられているし、列車を走らせられる雨量といった安全面の話もあります。
西日本もそうですよね。こちらは、とくに被災の後影響の話がでてきます。レジャーと被災とをくらべているわけではなくて、台風がくると、日常のことから、非日常のことまで、様々なところに支障が出てきてしまう。なにをするにも難しいところががでてきてしまうよといった内容です。
まず、上陸するところ(赤枠)のところでは、955ヘクトパスカル。40m/sと強いですよね。また、その後は、陸地を通ることで、少し弱くなります。
2 影響は?
次に影響のところを見てみましょう。それと、ルートが違うとなにが変わってくるのか。通常、台風は、沖縄から右上に進むけど、今回は逆ルートです。
台風が東海から、九州へと抜けていく。これって、日本が1951年に統計を取り始めてからはじめてです。
経験がないけど。でも、どんなところが変わってくるの?ってロジックで考えられているところがあるので、説明したいと思ます。
まず、台風12号は、海面が温かいので、一番発達したところで日本に上陸します。台風12号、955hPaで強いというところは見ました。
1 まずは大雨
影響として、台風は雨と風のスペシャリストなので、大雨を降らせます。たたきつける大雨。
雨が多いところは台風が上陸する東海ではないですよ。関東・甲信越です。
7月28日(土)の昼までに200mm。そこから24時間。29日(日)の昼までに300mmから500mmが予想されています。
もちろん、台風が上陸する東海も多いことに間違いはありません。29日(日)で300mmから400mmの大雨が予想されています。
ちなみに、雨の量は少しピンと来ないところもあるかと思うけど。
東京の梅雨時の雨全部をひっくるめたものが、135mmと言われています。なので、その2倍・3倍のたたきつける大雨を1日か2日でお見せしましょう!って話です。
2 あれ?東海に入るのに、なぜ関東が一番大雨になるの
って人いませんか?台風の影響って、ちょっと拡いんです。影響度って意味では、台風がくる「前後」であったり、台風が上陸する「周辺」であったり、台風自体がいるところよりもちょっと拡げて考えます。
たとえば、台風がいるところに大雨が降るのはもちろんだけど。
ちょっと、最新の台風12号の姿を衛星画像で見ましょうか。こんな感じです。
(画像引用:http://agora.ex.nii.ac.jp/digital-typhoon/)
ものすごく大きいと思いませんか?そして、たとえとして、歌舞伎役者の獅子の髪を大きく振り回しているように、
中心の右下の部分。雨雲の髪が長く見えます。どちらにしても、この台風が東海に近づけば、中心から右側は雨が多く降る。当然関東は大雨です。
ちなみに、気象庁は言っていないですけど、冷たい空気に、台風の運ぶ南の湿った空気があわさると、大気が不安定になり雷をもたらします。とくに西日本ですが、台風がくる前後に雷を予想しているところっていうのもあります。
風という意味ではこれです。赤枠のところですが、やっぱり強いですよね。台風が上陸する進路は風に注意です。
また、下の緑枠のところは静岡のことですが、沿岸部。潮が高い時期と重なっているので、注意が必要だといったものです。
とくに、静岡や紀伊半島の沿岸部・南側のところはすごくリスクがあったりします。
3 いつ影響があるの?
関東は、28日(土)の朝から終日。東海より西は、29日(日)よりになっています。ただ、これは「警報レベル」で絞っているので、ちょっと意味あいが狭いし、場面をしぼっています。
実際は、台風の前後で雨が続きます。そして、今回の異例のルートの特徴ですが、台風が過ぎ去ってからも雨は続きます。
それが今回のルートの特徴になっているけど説明しますね。
4 異例のルートの影響ってなに?
台風が過ぎ去ると、空が晴れ渡りよい天気になりますよね。台風は南から湿った空気を吸い上げて雨を降らすけど。
あなたが今いる場所から台風が通過すると、風が北よりに切り替わるからです。台風一過。南から水蒸気を含んだ風をもってこない。
かりに、赤枠のところにあなたがいるとして、通常のルートなら、台風が過ぎたときに北よりの風に切り替わります。あまり南の湿った空気を持ってくることになりません。
ところが、今回のように、東から西ルートをかくとどうなるでしょう。
そのときは、台風右側の雨雲が長くなっているところがかかり続けることになります。
あなたは、ずっと南から湿った空気を持ちあげるルートの延長にいることになります。結果、雨は続くことになります。
なので、逆ルートの場合は、台風が過ぎ去っても、雨が降っています。これが今までの台風の認識と違うところです。経験のないところ。
あとは、地形によって災害になりやすいところがありますが。通常は、山間の高くなっている土地の南側・西側です。それが台風が進むルートだからです。
雨雲って、山間をのぼって気温が下がると、雨をもてなくなります。飽和水蒸気量が下がるといいますが、水蒸気が雨になって落ちてくるということです。
台風の進行方向にある、山間の斜面で雨が降るのがルールだけど。今回は、台風が東から西へと進みます。
なので、南側はもちろんとして、従来雨がそんなになかった東側でも雨がふるはずです。雨雲がかかるルートで、土地が高くなる斜面のところ。そこに大雨がふります。
今回は東側も注意ということです。被災が起こりそうなところとして、よく聞く場所だけじゃないよというのが特徴にあります。
なので、異例のルートの影響として、大きなところは、台風が過ぎても雨が続くよってことと、土砂災害なども、いつもとは場所が違うよってところです。台風がいつもと違う東から西に進んでいるので、山間の斜面でも、進行方向の斜面が裏側になってくるからです。
3 じゃあ、なぜこういったルートを通るの?
ですよね。いつもは沖縄から右上を通る形で進むのに、まったく逆。1951年の統計史上初めてです。ルートについては、より、南側にという傾向があるけれど。
東海からより紀伊半島がわに、九州もより南側にという傾向が少しあったりします。
それは、寒冷渦(寒冷渦)が台風を引っ張るからとされています。
1 寒冷渦って?
視覚的に見た方がわかりやすいので、ANN newsの動画をおすすめしますね。
(引用:https://youtu.be/VcuI_mBGbLE)
上空にある。冷たい空気の渦だそうです。寒冷低気圧だという人もいます。台風が温かい海の水蒸気のエネルギーを受けてできるのに対して、寒冷渦は、偏西風の風のエネルギーを受けて発生します。
場所は、8000メートルから、9000メートルの高い場所。偏西風が西から東にベルトコンベヤーのように常に流れている中で、その周りの空気が転がり、渦を作るときがあるそうです。
もちろん、これができるのは、偏西風がヘビみたいな形で蛇行して、冷たい風の渦が切り離されるときなんだろうけど。このちょっとした渦が、台風12号のルートに影響をしています。
寒冷渦も、台風も左周りなので、中心の寒冷渦に台風が吸い込まれて、左にうっちゃられるイメージです。進路の予想が少しずつ南に切り替わっていることを考えると、この寒冷渦もより南側にくる方で予想されているんでしょうね。
ただ、これだと、ほんとはまだ言葉たらずなところがあって、寒冷渦が発生することはめずらしいわけじゃないけど、今回、1951年から、はじめて異例のルートになったのかが説明できていません。
でも、おそらくは何個かイレギュラーが重なっているんでしょうね。たぶん、台風が2個発生していることが原因です。
前提として、朝鮮半島の南端より上は、高気圧がフタをしているような状況です。台風12号はそのまま北上できません。左か右にしかいけません。
そして、この時期、偏西風は日本より北にあるので、南に蛇行したとしても、寒冷渦としてはあまり降りてこないんでしょうね。
でも、今回は台風が複数発生しています。右側に台風11号がいます。北上することにつれて、偏西風蛇行の流れ。寒冷渦が切り離され、スポッと南下していることにつながっているはずです。
なので、台風12号としては北上したくてもフタがされている。そこに寒冷渦が上からやってきて、台風12号を上に引っ張りつつも、左にうっちゃるような動きになっているんじゃないかなって。
いずれにしても、7月28日の午後には雨風の影響がでるだろうし、寒冷渦も冷たい風のエネルギーなので、台風のように動いています。
どこまで南下するかで、今後、とくに九州地方の影響がかわってくるはずです。
4 まとめ
どのケースにおいても、今回台風12号が東から西への逆ルートを通ることで、雨雲が長くかかるのと、南からの水蒸気をもってくることがわかっているので、台風の前後で、雨が長く続くことがわかっています。
寒冷渦の冷たい空気と交わることで、場所によっては、雷雨とかの話もあるかなって思っています。
そうでなくても、関東が雨量が多いため、まず交通機関が影響を受けるはずです。おそらく、移動することは困難になるはずです。
まず、今、台風がどこにいるかリアルタイムで気になる人がいると思うので、いつものようにリンクをはっておきます。
そして、引き続きニュースなどを追っかけて欲しいなと思っています。今のルートは、南の海上より大きく発達した台風がそのまま入ってくる形になりますので。リスクとして知っておいた方がいいはずです。
プラス、対象の地域の人は、気象庁の土砂がくずれるリスクがあるところをみた方がいいかもしれません。地図が少しみにくいので、そこは画面の「+」「-」で調整をお願いします。
(引用:気象庁土砂災害:https://www.jma.go.jp/jp/doshamesh/index.html)
そして、河川ですよね。Yahoo!の災害のページが役にたつはずです。
たとえば、こういうページですね。https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/river/
河川や山が近い人はハザードマップも見ることができるといいはずです。
また、大雨による冠水。そして、もろくなった部分の土砂災害の話もでてくるので、日本全国にリアルタイムでだされる警報の確認のリンクも貼っておきます。
https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/warn/
場所によって、被害は大きいはずです。できるだけニュースを確認して適切なアクションができるよう願っています。
あと、詳細についてはTeam Sabotenさんの動画もおすすめしますね。時間のある人は、ちょっと見てみてもいいかもしれません。
とくに、この(12)になっている2つ目の動画。動画の中盤より、7月28(土)向けの雨の影響について話しているところをお勧めします。
関東の中でも、神奈川・山梨・栃木などの人は雨の影響がでるはずなので、確認してみるのがいいはずです。
それでは本日も記事を読んで頂きありがとうございました。