2019/02/27
難かしさなんて、たたき割れ!!
1 「お金持ちの子どもは、お金持ち」ってことを、経済学の言葉で説明した人
アメブロを更新しました。 『21世紀の資本 ~トマ・ピケティ~』 #21世紀の資本 #トマ・ピケティhttps://t.co/cWgrTQUL3u
— 長期投資家やぶっち (@yabbuchi_indeed) 2018年8月21日
トマ・ピケティさん。フランスの経済学者です。テーマは経済的平等。
1 お金持ちと、労働者じゃ戦ってるゲームが違うよ!
ベースにあるのは、①資本家と②労働者の構図だけど…イラストの絵はともかく、お金持ちと、労働者じゃ戦ってるゲームが違う!
断然、①お金を持っている(資本家)が、②雇われて、お金もらっている(労働者)より有利!!というもの。
内容としては、マクロのとこで、原理原則のすごく大きなテーマをあつかってます。
資本家 > 労働者
イメージしているのは:
①資本家の儲け:4%-5%の間 (rの方)
②労働者の儲け:世界平均1.6%程 (gの方)
(画像引用:https://oneinvest.jp/le-capital/)
それを、お金が入ってくる率に直すと、こういう言葉になるけど。
r(資本収益率)>g (経済成長率)
r=return:リターン
g=growth:成長
グラフでは、上の青線が r(リターン)で、資本家の儲け期待値。株や不動産の配当や運用でもらえる利益。ピケティは、20ヵ国、200年のデータで見てるけど。時代にかかわらず、世界平均で4-5%です。
変数(r)が安定しているのはびっくりするけど。
逆に、下の赤線はg(グロース)で、労働者がもらえる所得の期待値。あまり伸びないという傾向があって。1.6%が平均だとされています。
資産家が断然有利。①これまでの歴史を調べてみたよ。株や不動産とか、資本で儲けたほうが汗水垂らして働くよりお金になるんだ。
それに、ここではあまり書いてないけど、自分で稼いだお金だけでなくて、先人から受け継いだお金もある。「お金持ちの子どもは、お金持ち」ってことを、経済学の言葉で説明したような人です。
プラス、ピケティの考えがユニークなところ。それは。
2 素寒貧はどこまでも素寒貧なまま:差は縮まらず
気づかれましたか…
資本論。もとになる経済学の大きなテーマとして、資本主義はを発展させると、①資本家と②労働者の格差が縮まるって考えです。
クズネッツ曲線が有名だけど、経済発展していくと、汗水垂らして働く人への賃金はアップしていくから。資本主義は、①資本家と②労働者の格差を解決できるってスタンス。
(画像引用:https://oneinvest.jp/le-capital/)
たしかに、g(グロース)が高度経済成長期とか、5%あるようなときって、rに近づきます。経済の発展によっては抜かすかもしれない。
でも、ピケティがユニークなのは、それをキレイさっぱり否定したところ。
それは、①高度経済成長期(g有利)で、下の線が上がっているときか、②恐慌(r不利)のときで、上の線が下がっているときだけだろってところです。
200年のデータを見てみろっ。例外時期だけじゃないの?って。
差は縮まらない…素寒貧はどこまでも素寒貧なまま。もちろん、富は持っている人にたまっていき、集中していく。だから、全世界で、たまった方を他の層にわける仕組みが必要だよねっていってます。
2 ちょっと思うこと
ロジックとしては、資本家のスタンスでいた方が、ゲームとして圧倒的に有利だって話です。
賃金の伸びは、株や不動産とかがうむ投資利回りには勝てない。
もちろん、持ってる資産の大きさもあるだろうし、個々の現実世界だとどうなの?ってあります。ミクロにおとしこむほど。
たとえば、経済的合理人。それぞれの人は、自分が最大限有利になるように行動するってあるけど、実際は、ボランティアとか、費用や労力を犠牲にしても、他の目的を重視することだってある。
ピケティのいう資本の集中も、直観的には、アメリカとかで、もっと富が集中してもおかしくないけど。でも、おそらく、複雑な要素がからむんでしょうね。
学問って、色々な場面をそぎ落として、1番本質的なことって、これだよって説明するので。
ロジックとして、「お金持ちはお金持ちのまま」っていうのが、正しいのかなって思います。考え方としては、資本家と労働者で、どちらがお金持ちになりやすいのかもね。
※ちなみに、ピケティのいう資産は、金融資産だけでなくて、機械・工場…売り買いできる商品のイメージで拡いです。
そもそも、なんで「r > g」なの?
ピケティは、rがなぜ上位にくるのか、あまり説明してない気がします。いちおう、コストが少なくてすむとは言ってるけどね。
でも、おそらく背景にあるのは、①投じることができる資産と、②生産の連続性かなって。「信用経済:実体経済 = 9:1」ってところをあわせて考えても、資産は、たくさん投入できるし、休みなく働いてくれて、複利の力で増えていく。
おそらく、労働は、働くのをストップしている時間もあるし、物理的な限界量があるかもしれないですよね。もし、よかったら、20ヵ国を、200年間分析したら、こういうルールがあるよって書いてくれたピケティの本を手にとってみてください。
お金持ちと、労働者じゃ戦ってるゲームが違うよ! けっこう面白いかもしれません。
それでは、また。