よっしーの食品せどりと田舎でオールジャンルせどり

なんだって?英ケンタッキーにチキンがないだって

time 2018/02/28

なんだって?英ケンタッキーにチキンがないだって

こんにちは、よっしーです。

先日、ふと、ヤフーニュースを見ていたら、こんな記事が目にとまりました。


(出典:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180226-35115267-cnn-int)

イギリスのケンタッキーフライドチキンが、商品のチキンを提供できなくて、新聞に謝罪広告をうっていますと。そして、それがユーモラスなので話題を呼んでいるし、お客さんは増えるだろうといった記事です。

タイトルにも、「容器空っぽ」の自虐広告で謝罪と書いてあります。この「ユーモラス」とかかれたところが気になりました。

だって、内容はよくわからないけれども、ケンタッキーフライドチキンが、イギリス全土でチキンを切らしている。

ケンタッキーフライドチキンがチキンを提供できなかったら、それはクリティカルです。だって、ハンバーガーのバンズの間にもチキンが入っているし、ほとんどのメニューがチキンを全面に押し出したラインナップです。

チキンがなかったら、一体他に何を提供できるんだという状況ですよ。もちろん、フライドポテトやコーヒとかはあるかもしれないけれど、それはメインじゃないですよね。

やっぱり、お客さんとしても、ケンタッキーフライドチキンに行って、店員にチキンを切らしているといわれたら、ここって、ケンタッキーフライドチキン、チキン屋さんじゃないの?っていいたくなります。

結構なハプニングをユーモアで切り抜けたというところが、やはり気になりました。

「ユーモラスな謝罪広告が話題を呼んでいる」…ほう。その知恵とやらを拝見させてもらいましょうか…

1 なにが面白いんだろう

なるほど、これですね。これが、The Sunという有名な日刊紙と、地下鉄の1面広告でバンと張り出されたようです。


(出典:http://creativity-online.com/work/kfc-apology-ad/53933)

実際に見てみましょうか。背景は派手な赤に、本来チキンが入っているはずのバケットが空になっている。ポイントは、おそらく、このカーネルサンダースの顔の下のロゴなんでしょうね。

本来、ケンタッキーフライドチキンのロゴ「KFC」が来るところ、「FCK」と言葉を入れ替えています。

後は、通常の謝罪文が続きます。内容としては、特別なものでなく「今、チキンを手配していますので、もう少々お待ちください」といったものです。

実際の内容としては、写真の通りで、日本語にすれば、WE’RE SORRY 「大変申し訳ございません」から、「チキンを提供するお店がチキンを提供できないなんて本来はあってはいけない状況ですが、

お客様とくに、はるばるご来店頂いたのにわたしどものお店が休業だったお客様には大変ご迷惑をおかけ致しております。また、状況を改善するため一生懸命働いているKFCメンバーやフランチャイズパートナーにも感謝致します。

「大変な週を迎えましたが、問題は改善されている方向で進んでいて、日々、私どものもとに新鮮な鶏肉が配達されて来ている状況ですので、もうしばらくお待ちください。」と書かれています。

ここで、…??ん、と思います。一体、なにが面白いの?と…

ツイッターでこの広告を面白い!と書いていたり、絶賛しているものも見られます。

たとえば、このツイートですよね。「当然許すよ。今まで見た中で、最高の謝罪だよね。」と書いてあります。ものすごく違和感を感じます。

面白いといっている意味がまったく分からない…どこがユーモラスなのか意味がとれない。頭に???がよぎります。

一体、なにを言っているんだろう…??もとになっているCNNの記事では、「容器空っぽ」の自虐広告で謝罪と書いてあります。

「自虐」って、自分で自分を責めるということですよね。ケンタッキーフライドチキンがチキンが提供できないことについて、空っぽの容器を見せて、自虐広告?

たぶん、ポイントはそこではないですよね。おそらく、ポイントはこのロゴです。FCKの部分です。おそらく、CNNの英語の記事を日本語に翻訳した人も、たぶん、あまり状況をわかっていません。

あまりわかっていないから、言葉だけ日本語に置き換えても、読んでいる読者に伝わってこない。

でも、ここは僕もすごく理解できて…業務で英語を使うような人…たとえば、みなさんが英語を日本語になおすときに、翻訳に本当に必要な力って、たぶん①「英語の力」ではないです。

ん…?と思う人がいると思うのですが、英語→日本語の翻訳で、重要なのは多分、英語力ではないです。もちろん、ある程度のレベルは必要なんですよ。

でも、英語力はそこそこで十分で、もっと重要なのは、②日本語での表現力と、③話の背景となっている知識があるかです。つまり、今、どういった場面の話をしていて、それをうまく表現できるかで変わってきます。

よく、エキサイト翻訳とかで変わった翻訳を見たことってありませんか。これは日本語から英語ですが、昔、英語でメールを書く時に、そういえば「大晦日」って、英語でなんて言うんだろうとWEB翻訳をかけたことがあります。

変換された文字には、ジャン!これです。「Oh! It’s Miso:オー!イッツ味噌」と書かれています。

違う!違う!違う!。僕は決して「おぉ。味噌か!」を英語にしたいわけじゃありません。でも、これも、日付なのか、食材なのか、どういった場面の話かがわからないからですよね。

このニュースも、たぶん、今どういった場面の話をしているかがわからないとよくわからないはずです。

とにかく、大絶賛のツイートもあって、ものすごく、気になりました。他の記事とかもみると、ブラックジョークとか書かれています。

…どうやらこの辺にカギがありそうですよね。ちょっと、探っていきましょうか。

2 鶏よ、なぜ届かないのか?

まず、なぜチキンがお店にないのか?ですよね。ANN Newsのものが一番わかりやすかったので引用します。

(出典:https://youtu.be/Num6yuCWZWY)

まず、お店にやってきて休業になっている人のコメントです。お店がやっていない…胸が張り裂けそうで泣きたい気持ちだ。ちょっと、オーバーじゃないの?と思う人もいるかと思いますが、たぶん、これほんとに人気があるんですよ。

あるおじいさんのツイッターコメントで、こういうのがありました。

「なんて日だ…ケンタッキーフライドチキンに、孫と夕食にやって来たら、チキン不足が理由で休業をしている。かわりに、マクドナルドに連れて行ったが、それではダメなんだ!

その後、1人でトイレで泣いたんだけど、孫の前でそういう弱いところを見せるわけにはいかなくて…」

イギリスのことなので、少しわからないところもありますが、おそらく、ケンタッキーはイギリスですごく人気があるんでしょうね。

このおじいさんについても、孫がものすごく喜ぶはずです。孫がものすごくはしゃぐ姿をみたくて、ケンタッキーに連れて行った。でも、お店はやっていない。

おじいさんは、悲しむわけですよ。ちょっといいところをみせたいのに、どうしようもできない。

この少女なんかもみると、ちょっと、イメージがわくかもしれません。これは、英語がわかると面白いのですが、この子はちょっと、おませなんですよね。小さいけれど、大人びたしゃびり方をして、少し愛嬌があります。

http://www.itv.com/news/2018-02-20/kfc-store-closures/

「せっかく来たけど、やっていない。楽しい時間を過ごしたかったけど、ものすごくがっかりした」と小さな女の子がものすごく強調しています。

(出典:ITV REPORT)

そう、今、イギリスでは、ケンターッキーにチキンがありません。

900店舗中、半数のお店が臨時休業になっています。しかも、全面再開の見込みは立っていません。

なぜ?ですよね。

それは、これです。配送トラブルがあって、お店にチキンが届かないからです。

もともと、イギリスKFCでは、南アフリカ系のBidvest(ビッドヴェスト)という会社が、チキンの配送を行っていました。

これが、昨今、ドイツのDHLが新たに配送会社として、切り替わりました。理由は、コスト削減です。既存の会社からDHLが新たに受注した。

DHLは、KFCのために、もっと安価で運びますということなんでしょうね。配送センターも従来の6つではなく、1つだけの手配にしたようです。

ひとつは、これが遅延の理由ですよね。配送センターの数が少ないことは、遅配の原因になります。

また、英語でもあまり詳しく書いてあるものがなくて、細かくはわからないのですが、DHLが手配している配送センターは、食品を扱うのに必要な衛生上の登録がなかったといったような記事もあったのですが、もしかしたら、法律上の手続きがクリアになっていないところもあったかもしれません。

なので、英KFCの思いとしては、新たにチキンの配送をお願いしたDHLに言いたいことがあるわけです。1日200万ピース売れるフライドチキンについて、半数ものお店が休業に追い込まれたのは、イギリスKFCのせいではないですよといいたいわけです。

ドイツの会社がやってくれましたと…、新たにDHLにまかせたら、チキンをきちんと届けれないじゃないかって。

3 じゃあ、KFCのロゴがFCKになっているのは、どういうこと?

もう1回、さっきの謝罪広告を見てみましょうか。バケットにある、カーネルの顔の下に「FCK」の文字が輝いています。明らかにケンタッキーフライドチキンの「KFC」をもじったものですよね。

僕も、最初、これは他の言葉があるのかな…と思ったのですが、もう明らかですよ。あまり、表現したくはないけれど、グローバルな大企業がわざわざ有名紙の1面に大広告をうつほどの公共性があるものですからね。説明します。

ようは、F〇CKという単語です。映画でよく見る中指を立てるアレですね。ところで、みなさんは、足の小指をタンスにぶつけたことはありますか?

ん?いきなり何をと思うかもしれませんが、ニュアンスとしては、たぶん、これですよ。「怒りと嘆き」です。英語ネイティブではないので、よくわからないところもありますが、

小指をタンスにぶつけたとき、「痛った―!!」という気持ちと「クソ、一体なんでこんなことに!」という気持ちになりませんか?自分が悪いわけでもないのに、タンスの角に小指をぶつけたら痛いですよね。天を嘆く気持ち。「クソ、なんで、こんな痛い目に??」。怒りと嘆きです。

イギリスのケンタッキーフライドチキンも、今回、ちょっとつまずきました。タンスの角にしこたま、小指をぶつけています。イギリスの人気企業として、チキンを提供するお店なのに、チキンが提供できない。ものすごく人々にいわれます。KFCくん…きみには失望したよ…と。

実際に、小さい女の子にも言われていますよね。ものすごいdisapointed(ガッカリ)だって!

なので、思わずカーネルは「FCK:クソ!」とつぶやいたんですよね。誰にですか?簡単ですよ。DHLに対してです。

企業としては、今回の問題が、ある程度ニュースで大々的に取り上げられているのはわかっていて、内容は、すでに人々に知られている。1万字を使って、こういう経緯でDHLの配送に不備があってと丁寧に説明するよりも、おそらく、カーネルにシンプルに「FCK」とぼそっと言わせた方が効果的だと考えたんでしょうね。

うちの問題じゃないのに「クッソ、痛ったいなー、DHLめ。バケットが空やんけ」と。ニコニコした白髪のおじいさん…カーネルがおそらく、もっとも言わないこと、そこが、ユーモラスと考える人もいるんでしょうね。

これ、カーネルの顔と、FCKは一体としてみる感じですよね。そして、下のやけに丁寧な文言とも相まって、悪態をついているカーネルがブラックジョークのようにとらえられるのかもしれません。

効果としては、メディアを通じて事前に説明がされているから、あらためて、文字として新聞広告で長く、DHLが今回悪かったんですよと説明するよりも、すんなり受け入れられたといった流れになっているはずです。

4 わかったけど、わからないことがある

今回の謝罪広告のユニークなところ、それは、背景を知ったうえで、あえて言葉にしない本当のメッセージを隠しているところというのはわかったけど、今回の記事を読んでどうしてもわからないところがあるなって感じています。

たぶんね。国民性もあるんだろうけど、僕がKFCの社員だったら、この広告は好きでないというはずなんです。ひとつは、自分が働いていた会社で同じような文字の組み換えを頭の中でイメージしたのですが、まず、会社のロゴはマイナスイメージにしたくないなって。

会社のロゴや、マークって、やっぱり「看板」ですよね。そこの一員として、たぶん日本のKFCの社員だったら、おそらくこういった並べ替えは、それが効果的だとしても、やっぱり抵抗があるんじゃないかなって。

なにかあれば、今後雑誌とかに、この広告のFCKの絵が引用されて輝く可能性があるわけですよ。本来、企業のロゴやブランドって、形はなくても、財産としてそれ自体に価値があるものなので、できるだけ負のイメージにつなげたくないってのがひとつ。

あと、もう一つが、やっぱり、ポイントをずらしている気がしています。本当にDHLが悪いのかなっていうと、多分違いますよね。

さっきは、タンスに小指をぶつけることって、自分が悪いわけではないと書いたけれど、ほんとはね。思いとしてはそうでも、客観的には、自分が悪いわけです。

足の指をぶつけるまえに、必要な確認ができていない。多分、大丈夫だろうで動いちゃうから、ぶつかる。メインは自分がコントロールするんだから。

本当は、チキンの配送なんてまさに業務の根幹です。だって、各お店に、必要な原材料が届かなかったら業務にどうしてもならない。

コスト削減は必要だとしても、一括で変更する前に、試験的に一部を変更するとか、配送センターが6つから1つに変更して本当に問題がないかは、やはり商用でまわるかどうか確認が必要なはずです。リスク検討ですよね。

日本の会社だったら、はじめてやることはうまくいかないことがあるというのは当然認識しているし、ある程度、バックアップを考えます。

とくに、KFCは世界的なグローバル企業だし、はじめて配送業務を受け持つところが、ノウハウもなく、物流に必要な設備も少なくて、業務で必要な膨大なチキンが回るかどうかの検証もなく、一括で切り替えていいのかなって。

当然組合からも指摘されてますしね。そういったことを考えると、どこに問題があったのって分析にはなっていない。企業としての、再発防止にもなっていない。

過去に、似たような失敗をしているだろうし、自社内の組合の指摘を検討できていないので、今後も同じように失敗する可能性もある。そして企業のロゴを入れ替えて、FCKとカーネルに言わせてみても、結局、問題解決になっていないだろうなって。

今回わからないこと、それって、この広告が本当に、イギリスでユーモラスな広告として受け入れられているのかなってとこです。原材料の手配という根幹の部分を委託するにしても、他の会社が全部悪いという話にはなりにくいだろうなと考えたとき、僕にはとても、謝罪広告として、受け入れられない気がします。

問題の所在が分析できてなく、ただ、ブランドロゴを傷つけてる可能性があるし、おちゃらけなんじゃないかなって。イギリスのメディアで取り上げられているけど、もっと、イギリスの地元メディアがちゃんと問題分析を掘り下げて欲しいなって。

英語圏の人なんかどう考えるんだろう。今日は、そんなことを思いました。このブログが、ちょっとした考えるきっかけになると幸いです。

 

 

 

 

 

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