2019/02/27
こんにちは、よっしーです。今日、外を歩いたら千葉では桜が満開でした。ちょっとした公園にも近所の人が桜を見に来ています。僕もいつも通る道をちょっとだけ離れて、意味もなく少しだけ花びらが舞っている桜のトンネルを越えて歩いてきました。
桜の廻廊に子どもが走っている姿をみると少し不思議な感覚になります。僕は、桜をみると新しい季節への希望と、毎年変わらずに咲く花に少し懐かしい気持ちを感じます。
僕が会社をやめたときもこんな気持ちでした。今から少しだけ前、僕は法科大学院に通うため、10年以上働いていた通信会社を退職しました。
みなさんは携帯電話を持っていると思いますが、携帯電話は国内だけでなく、海外でもそのまま持っていって使うことができます。
僕はそういう仕事を主にしていたのですが、携帯電話が海外でもそのまま使えるように、海外の200を超える通信事業者と接続確認試験や通信障害が起こった場合の折衝をするといった業務をメインでしていました。つまり、通信会社の社員です。
仕事も会社も好きでした。休日でもどうやって仕事の課題を解決するかをよく考えていました。
他の会社でもそうだと思うのですが、定時にはまず帰れません。常に仕事で会議や交渉、説明、報告、ルーティンなど色々な業務が目白押しです。
常に時間に追われていましたが、やりがいのある仕事でした。環境もよく、社員も総じて真面目なこともあり、色々なことを経験させてもらいました。今でも、会社やそれを取り巻く社員、環境に感謝をしています。
在職中にやめてしまったことについて深く心の中で頭をさげる思いですが、桜のトンネルを歩きながら、会社をやめたときもこんな思いだったなということを思いだします。
1. 簡単な説明について
さて、今日のタイトルは、僕が感謝をしていることの話です。もちろん、在職中の全ての人に感謝しているし、上司も何人もいるのですが、ブログとしては、すべてを取り上げることができません。
なので、今日の記事としては、ある1人のことを思い出しながら書きたいと思います。
名前は、仮名でいきます。本当の名前は、ある「日本の県」と同じ名前の人です。ここでは、仮に「千葉」さんにしておきましょうか。そして、管理職だったので「千葉課長」でいきたいと思います。
千葉課長は、40代前半の携帯電話の設備保守でたたきあげられたような人です。内容は技術職です。
みなさんは、携帯電話のつながる仕組みに興味があるかわかりませんが、基本はインターネットのつながる仕組みと一緒です。メールやネット機能などは当然ですが、通話などの音声も、パケットなどの細切れのデータにして、IPネットワークを介してやり取りをしています。
なので、携帯電話の設備も、基本はインターネット設備と一緒です。ルーターやブレードサーバーなどで運用されています。
そして、みなさんは、携帯電話が使えない場面にあまり遭遇しないと思いますが、内部的には、機械が故障することもあります。使用頻度が高く、商用の負荷がかかるからです。
ただし、みなさんが故障をあまり認識しないのは、発生と同時にすぐに通信を迂回させているからです。電車でいえば、電車が停まったときに、すぐ振替輸送をするように、ほとんどの設備には、バックアップ設備があります。仮に故障設備で通信ができなくなっても、すぐ切り替わってサービスは継続します。
なので、内部的には機械の故障があっても、サービスは中断しません。ちなみに、そのときは国内系の仕事です。課長と僕は、関東・甲信越にある交換機系の設備を保守しているセンターを総括する業務をやっていました。
総括というとわかりにくいですが、本社で、現場の人が保守をしやすいようにとりまとめていく部門です。たとえば、設備って新しいものに切り替えていくので、全体のスケジュールを調整したり、保守する人のために調整や研修を行ったりします。
また、故障しやすい機械については作っているメーカーに原因と対策を求めたり、様々なものを資料にまとめて、取締役などに報告をしていきます。現場の困りどころを解決していくような部署ですね。
少し前置きが長くなりましたが、仕事の内容がわからないと今日の話はイメージしにくいと思ったので、少し内容を書きました。
2. 会社という組織について思うこと(評価について)
ところで、話は一転しますが、このブログを読む読者には、色々な人がいると思います。ここで聞きたいのですが、みなさんは会社の自分に対する評価ってどう思いますか?
正社員で仕事をしていると、ときに飲み会や評価面談のときに、それぞれ自分は正当に評価されていないという人が多いと思います。直接はいわないにしても、ニュアンスでわかることもあると思うんですね。
とくに保守をする部門なんかは、開発や営業と違って利益を生み出す部署ではありません、数字としても功績ってあらわしにくいです。なので、数字に評価がしにくい不満ってたしかに想像できます。ちゃんと評価されていない。見てもらえてないんじゃないかって。
でも、やめた今思ってみると、会社の評価ってなかなか冷静で的確だなと思っています。評価って功績だけで部下をみているわけではないなって。
あくまでも個人的な感覚ですが、みていないようで上司ってよく見ています。管理職になるだけもあって、すごくよく見ています。
評価は、必ずしも目に見える数字ではありません。部下の日々の働き方、ちょっとした基本動作、さまざまな人との接し方、普段書いているものの内容、研修での態度、業務説明の状況とかで自然と形成されていますが、そういうものをみながら、あいつは、そろそろ、こういったポジションの仕事をまかせてもいいだろう。きっとできるはずといった判断をしているはずです。
このブログを読んでくれる人の中には、就職をしたことがない人や、20代の人もいるかと思いますので、少し変わった質問もしますね。
僕がいた会社は一般に大企業と呼ばれるところです。みなさんは、そういった会社において、仕事を頑張った「正社員に与える「報酬」ってなんだと思いますか?頑張った社員がもらえる「ご褒美」のことです。
お給料、お金ですか??
それも当然あるでしょうね。僕のいた会社では、給与のベースアップと、ボーナスに関係していました。でも、大きな会社のサラリーマンの「ご褒美」って、必ずしもお金じゃないんですね。なんだと思いますか?!
それは「お仕事」です。たぶん、ピンとこないでしょうね?!
でも、頑張った社員がもらえる「ご褒美」は、出世への足がかりです。成果のでやすい部門、もしくは、お偉いさんの目にとまりやすい部署への配属です。
若いサラリーマンには知っておいて欲しいのですが、大きな会社での正社員のランクアップや、昇進って、もう、大体のストーリーができあがっています。後は色々な人のダブルチェックです。本当にそのポジションでやっていけるかどうかを温かくチェックしてくれています。
その一人は「課長」です。それプラス、その上長。つまり、部長以上の役職の人です。流れとしては、課長が社員の仕事ぶりをみていて、そろそろですよと、参事(部長とかです)にプッシュします。あいつは、ランクアップさせてくださいと。部下の引き上げをプッシュしているんですね。
そして、それが通ると、次の移動先で評価される理由付けの「仕事」がまっています。とくに、課長になる人は、重要な仕事がたくさん集中します。一般社員でも、相当いそがしくなります。文字通り、仕事はできる人のところに集まってくる状態です。
興味があるないは別にして、出世は配置換えとセットなんです。で、そこでは何を見られているかというと、違った環境でも、仕事をこなせるかどうかの仕事ぶりをみられています。
それは、基本動作であったり(挨拶、人と話せるか、時間を守れるか、身だしなみ)、普段の仕事ぶりです。
色々な人が、幅広くその人を見守っています。主にみているようなものは、準備(会議室の設定、プレゼンの用意)、調整(部門間の連絡)、報告業務(問題が起きた時のエスカレーション、資料説明など)などの対応です。
3 僕が上司に感謝していること
その中で、僕が上司に感謝していること。それは、「考えること、ポイントをつかむこと」を色々なやり方で経験させてくれたことです。
企業では、上司とかが、自分の部下が将来それなりのポジションで困らないように、会社内でちゃんとやっていけるように、気を使って育ててくれています。
やり方は人それぞれです。でも、ときに議論したり、こういったことをやれと言われたり、手本をみせてくれたり、怒ったりしながら、その人が困らないように育てています。
僕がよく怒られたのが、聞く前に一度は自分で考えてみろといった内容です。配置転換があると、業務でやったことがないことに遭遇するので、わからないことがたくさんでてきます。
とくに、忙しいとき、経験豊富な課長に「こういうのがあるのですが、これは一体どうしたらいいでしょうか?」と単純に質問したくなります。これ一般論としては自分で考えるべきなんじゃないのと思うかと思います。
でも、実際の場面でぱっとこられるとつい聞いてしまうんですね。たとえば、言葉はかえてしまいますが、「センターから、EWSCPダブルセントレックスという機器にソフト上のph34というトランクエラーが何度も走ることにより、自動再開で系が切り替わってしまうので、なにかソフト上問題についてプラグ対処ができないかベンダーと調整をしてください。他のセンターでも困っているはずです」といったよう質問がくるんです。
おそらく、異業種の人には、まったく内容がわからないかと思いますが、いいかえると「うちで保守している設備がソフト上の不具合をかかえています。なので、内容を確認してメーカーに直すよう依頼してください」です。
部署がかわると、なにをしていいのかわからないので、つい質問してしまうのですが、やはり怒られます。求められる順番としては、「きみはこの問題についてどう考えているのか」、「まず、何をしたらいいと思っているのか」、「わからないところがあるなら、いま、どこで困っているのか」を説明しないとよく怒られました。
たとえ質問するとしても、「今、こういった依頼がきて、僕は、こうだと思っていますが、ただ、こここがわからないので、まずは、どこどこに確認をしていこうと考えています。課長、どうでしょうか。」といったやり方です。
ここで感謝しているのは、僕は、自分がわからなくでも、なにか質問する前は一度自分で考えて、あたりをつけることが身にしみついています。
上司としては、会社で困らないようにと思って鍛えてくれたと思うのですが、結果として、このときの経験が僕を救ってくれています。やったことがない、せどりに大いにいかされています。
僕は、問題解決の一般的なやり方を経験しています。なので、せどりにしても、ブログをつくることにしても、全然わからなかろうが、とりあえず、考えて、あたりをつけることができます。
もちろん、1年前までは、僕がせどりをやったり、ブログを立ち上げることはまったく想定していませんでした。
「それ、きみだったら、どう考えるの?」。あのときいった上司の言葉が今でも胸に残っています。
もう、1つ感謝していることです。それは、なにかあるたびに「事業部長に報告にいけ」といってくれたことです。ようは、取締役への報告ですね。
ちなみに、若い人だと事業部長というポジションがわからないかもしれませんが、会社内には、事業部といったサービスのくくりがあります。たとえば、法人営業部だとか、設備運営管理部とか、サービス運営顧客管理部とか、商売の対象としている目的毎に「事業」がグルーピングされています。
法人相手に商品を売ってきますとか、持っている設備を保守することでお金を得ますとか、カスタマーサポートをすることが売り上げの中身になっていますとか、お金を得るためにある程度仕事(事業)がくくられています。
大会社の中の、ちょとした子会社みたいなもので、そこのトップが事業部長です。イメージしては、子会社の社長みたいなものです。
僕も、なにか問題があればすぐに報告するよう促されました。「どこどこで問題が発生しました」。なら、すぐに「資料をもらって、事業部長に内容を報告にいけ」とかです。
これって、基本はお偉いさんに顔を覚えてもらうことが目的です。そして、事業部長になるような人っていうのは、事業部長になるだけあって「これって、こうじゃないの?」ってチェックや、つっこみが厳しいんですね。
するどい質問がくると、すごく返答に苦しみます。でも、上司はそういうとき、聞いていないふりして、離れた場所から、部下の説明を聞いています。そして、やり取りが十分にできていないと感じると、すぅ~っと現れて、本来のあるべき解答みたいなものを補足していきます。
取締役の質問ってこわいので、ものすごく、汗がでるんですよ。もちろん、事業部長も鍛える目的なので、手加減はしているのですが。
ここでは、とにかく足を運ぶということと、ポイントについて考えることを学びました。こういった経験が、会社をやめて苦しい中でも、僕を救ってくれています。
もちろん、課長は、同じ会社の桜の廻廊で僕が困らないよう、厳しく育ててくれていたのでしょうが、僕はそこから一歩離れた場所で一人で歩いています。
今日、桜の廻廊に子どもが一生懸命走っている姿をみると、胸がしめつけられるような思いがします。小さな花びらへの期待と、また、一生懸命経験させてくれた懐かしい上司の顔が浮かんできます。
桜が今年も咲いているように、僕も、昔働いていた会社の上司にそっと感謝をしながら、桜のトンネルを越えて歩いてきました。いつか、また会えたらと思います。
いつも読んで頂きありがとうございます。稚拙なブログでも時間をかけて一生懸命作りました。1日ごとに、ぽちっと押して頂けるとランキングに反映されて、僕もこのブログが少しは参考になっているんだなと安心します。また、みなさんにできるだけ結果がでるような情報を提供するモチベーションになります。みなさんの応援なしでは残ることさえできません。ぼくも、みなさんの応援が必要です。