こんにちは、2019年3月22日。460ドルとNYダウが大暴落したけど。額より、下げた理由が重要で、今日はここにでてくる逆イールドってなに?ってことを、説明したいなって思います。
ほら。逆イールド発生!!「景気がわるくなって、株が下がる兆しなんじゃ…心配だ」って書いてあるでしょ? ニュアンスはちょっと違うんだけどね。
で、逆イールドってアラートです。まずつかんで欲しいのは、下げ相場にトレンド変換しますよって警報。
具体的な意味は後で説明するけど、イメージとしては、株が売られる過ぎてて、不景気に向かってますよって指標です。投資マネーが株から、債券に逃げてます!って。
で、今回の米国株の暴落は、下げ幅としては今年2番目で大きいというのはあるけど。そこよりも、下げた理由を1度ガシっとつかむ必要があります。
シンプルにどこかで、嵐の海が来るかもしれないから。
じゃあ、もう少し深掘りしていきましょう!
大幅下落の流れ:
①ドイツが発表した製造業PMIが予想より低かった(継続的)→ NYダウ暴落→ ②逆イールド発生。
①ドイツが発表した製造業PMIの数字が予想を下回る。しかも、継続的に悪い数字をつみかせねている
②世界の景気減速が強く懸念。ものが売れなくなるから、会社の業績がわるくなる。ダウ暴落。
投資マネーシフト。株から債券にお金がにげてるから、
③逆イールドが発生
こういったイメージです。
ポイントが2つあって。
会社目線と、マーケット目線。「A(こういう理由)で、→ 景気が後退する」のロジックが2つ入ってます。
①製造業で業績がわるくなる→ものが売れなくなるから、景気わるくなる。
②株の人気投票。マーケットで、お金が債券の方に逃げてるから → 景気わるくなるよの2つ。
だから、NYダウが下げたのは、製造業PMIの数字がわるかったから。製造業で業績がわるくなると予想されているからだけど。
今後のリセッションになりそう。下げトレンドに切り替わりそうって意味までいれるなら、2つが絡みます。
製造業PMIの数字がわるいってことと、投資マネーを、株でなく、長期債券につけかえてるってところ。
まず、NYダウが落ちた直接の原因。ここのストンと落ちているところ。
これは、ドイツ製造業PMIの数字が予想の48.0を割って、44.7だったから。
製造業PMIは、製造業の景気指標。市況の変化を表すパラメータです。
調査は、民間企業の購買管理者へのアンケート調査。これは、他の従業員より、企業の生産活動に大きく携わっていて、市況の変化に気づきやすいってところがあるんだけど。
雇用や、生産量・注文量。最終商品や原価などの価格などをもとに作成されている指標です。
で、通例は50を割るとよくない!って言われています。ほんとは、色々な国があるけど、ドイツの数字がわるくて、2018年から、下がり続けているのが見て取れるはず。
しかも、この3ヵ月はレッドゾーン。50を割っています。これは、2012年以来の低水準って言われるけど。ようは不景気の数字で、
①製造業で業績がわるくなる→ものが売れなくなるから、景気わるくなるといったことを意味しています。
NYダウが下げたのは、結果として、製造業PMIの数字がわるかったから。投資家が、景気下げトレンドへの突入を感じ取っての株を投げていることがわかります。
逆イールドが発生した!っといったときに、マーケットはどういう風にとらえるか。そして、逆イールドってなに?って順番で書きますね。
シグナルとして、高い確率で不景気に入るというもの
緑枠で囲ったように、「青い線」が、オレンジの線に近づいているところって見えますか?
金利2.80%が、金利3.01%に近づいているところ。この線が抜いたところを逆イールドと言うけど。
逆イールドは「高い確率で、不景気に入るよ」って先行シグナルです。ようは、マーケットとしては、下げ相場がいったん来るよ!って評価。ちなみに、ここで言うエミン ユルマズさんは天才肌なので、知っておいて損はないです。
いつって意味では、半年から、1年半って評価が多いです。
ここはわからないけどね。でも、天井近くになると、株は一般的に値動きが激しくなります。そして、短期的に、射幸心をあおることがある。
もちろん、シグナルは万能じゃないけど、逆イールドがでてたな!って、全力買いしたくなったら、ちょっとよぎってもいい知識です。未来のことはサイコロだからわからないけどね。
話をすすめましょう!逆イールドが出た。マーケットは「高い確率で、不景気に入るよ」ってことを想定します。
じゃあ、なぜ、不景気に?ってロジックですよね。
金利は、通常、長くなればなるほど色つけて返す。その逆!
さっきの「青い線」が、オレンジの線に近づいているところって覚えていますか?金利の線。米国債の金利だけど。通常は、期間が長いものほど、利息が高くなる。
イールドは、金利って意味だけど。逆イールドは、金利が逆ザヤになっているってこと。
わかりにくいですよね(笑)。でも、シンプル。金利って、1年と10年だったら、長くなるほど、利息をたくさんつけないといけない。
米国債なら、1年が2.5%だとしたら、10年は2.7%ぐらい期待できてもいい。相手のお金を長く拘束するときは、利息を高くしてあげないといけない。
これは、友達にお金を1万円借りて、明日返すのと、1年後に返すのに似てます。明日返すんだったら1万円そのまま返せばいいだろうけど、1年後なら、ちょっと色をつけてあげないといけない。
なにを言ってるかというと、経済的な効用の話で、本来友達はそのお金をつかって、金融商品を買って配当をもらったり、なんらかのを経済的メリットを受けることができた。
でも、相手のお金を長い期間拘束するときは、その分、色をつけてあげないといった考え方が原則です。
たとえば、これ。
ベースは10年と比較することが多いけど、米国債10年が2.44%。それに対して、3ヵ月・6ヵ月・12ヵ月が同じ利息かそれ以上になってるでしょ。これが逆イールドです。逆ザヤ金利。
ほんとなら、10年は2.5%ぐらいが相場だろうけど。すぐ返すのに色をつけてもらえるって、ちょっと不思議なことが発生するわけです。
逆イールドとは:
①高い確率で不景気が発生する先行シグナル
②下げトレンドは、6ヵ月後から2年とされている
③定義としては、短期金利 > 長期金利となる事
これは、リバランス。マーケットのお金を株から債券にシフトさせたからですよね。
ドイツPMIのよくない数字が続いている→ アメリカ株は天井。もしくは、景気減速している → リスクを感じ取った投資家としては、よりリスクの低い金融商品にお金をシフトします。
もちろん、投資資金としては、10年お金を拘束される米国債に向けるより、短期金利の方に向けることになるので、
逆イールドが発生したのは、PMIの数字を受けて、急速に短期金利の需要が高まったからですよね。
ここね…。あまりロジックじゃないから、すっきりしないって人もいることはわかってるけど。
マーケットの人気投票。赤枠と青枠で囲った、このグラフを見て、下がると思う人が多いから。会社の業績あがった。株価も上がるはずと似てます。値段も後追いするって考え方に近いです。
この、期間ごと。グラフの右側に長期金利の点を打って、線を引っ張ったものが、イールドカーブといいます。
逆イールド型は、紫の線。赤枠と青枠で囲ったグラフ。
前提知識があって
知るべきは、長期マーケットはコントロールできないって発想があること。
前提知識:
短期金利:中央銀行(FRBや日銀)のコントロールの影響を強く受ける。
長期金利:債券の市場原理。コントロールできない。
左側の短期はコントロールできるけど、右側の長期金利はそのまま、未来の債券市場を予測すると思われています。
逆イールドだと、予測するのは、①景気の後退と、②長期債券の値段が下がるってこと。
ちなみに、すぐ短期金利の方をコントロール。下げると、景気後退の期間は少しでも後にずらせるといわれています。
このグラフは、もちろん、単なる予測なんだけど。マーケットは人気投票って側面も大きくて。結果として、このグラフをみた株の投資家がどういう発想をするかというと。
逆イールド発生はリセッションの前兆
これから、長期国債の債権価値はまず下がる
どこが長期国債を持っているかというと銀行。まず、銀行株は下がる
実際、短期国債の方が金利が高くなると、銀行としては、あまり長期国債をたくさん持っているメリットが少なくなります。
だって、短期国債持っている方が、利回りがいい。しかも、持ってる長期国債は価格が下がります。全体として、銀行の業績がわるくなる。
今回のNYダウの460ドル下落も、英語が得意な人は、こういうのも参考になるはず。
銀行株が大きく下落しているよってニュース。1週間で10%下がりましたってもの。ちなみに位置づけとしては、地銀です。
①Fifth third Bancorp 11%
②Comerica 9.7%
③KeyCorp 9.6%
④Hungtington Bacshares 9.3%
収益構造として、キャッシュポイントが少ない。この数年間はどうしようもないからだってことを言ってます
不安の市場心理の話だけど、株のマーケットからお金が逃げていきます。
トレンド全体が下げている。銀行の業績もわるくお金を回す余裕がない。結果として、株式のマーケットはより閑散とする。
なので、最後は、考え方の傾向性だけど、多くの投資家が、今投資するのはよくないと思えば、株としては下げトレンドに移行する確率が高まります。
なので、逆イールドが発生したからといって、すぐ下がるわけではない。ただね。アメリカは、リセッションとまではいかなくても、2年以内のどこかで、景気減速する可能性は高いです。
ヨーロッパはある程度、見えてるけど、インフレ率とか、他の景気先行指数も、アメリカはちょっとピーク気配が顔をのぞかせてます。
話がずれちゃうから、あまり書かないけど、景気先行指数に興味がある人は、景気先行指数に興味がある人は(LEI)も見てみると面白いと思います。
線が、下を向くとリセッションになるって指数です。
ヨーロッパ・アメリカは景気減速が見えてるから、日本としてはしばらく円高に向かいそうだけど、ちょっとしたリスク回避の参考になればいいなと考えています。
なので、NYダウの大暴落と、逆イールドとの関係って意味では。
NYダウの大暴落は経済が後退するとみられているから
NYダウが460ドル下落したのは、①製造業PMIが予想を下回ったから。2012年以来で、製造業で業績がわるくなる→ものが売れなくなると考えられたからだけど。
じゃあ、米株が売られて、逆イールドが発生したことはどうかかわっているかというと、これからの話だと思ってます。
信用不安が顕在化しつつあるってところ 株が売られて、かわりに、短期債権が買われた。その結果、逆イールド(短期金利 > 長期金利)になったってことは。
株のマーケットから債券にお金がシフトして、下げトレンドへの移行が予想されるのと。銀行が持ってる長期国債は値段が下がり、業績に反映するから。
それがトリガーとなって、株式全体の信用不安が高まっているよってところです。
もちろん、最終的には、わからないです。ただ、リスクコントロールの部分なので、下げ相場が来たらどこまで耐えられるのかの想定と、常に全力で買わない!!絶対に!
が重要だと思ってます。
ちなみに、逆イールドについて詳しいエミン ユルマズさんの本としては、こういうのがあるけど。
それでも強い日本経済! 世界は新冷戦へ突入 [ エミン・ユルマズ ]
これは、必要な人にってところだから。
twitterをながめるだけでも、ちょっと参考になると思いますよ。それでは、また。